@article{oai:saga-u.repo.nii.ac.jp:00023505, author = {重竹, 芳江}, journal = {佐賀大学全学教育機構紀要 / 佐賀大学全学教育機構 [編]}, month = {Mar}, note = {ヘッセは生涯アジアに言及し、アジアを語り続けたが、その根底にあるのはヨーロッパ人としての人間のあり方である。特に1911年のアジア旅行では自らがヨーロッパ人であることをとりわけ強く感じることとなった。自分自身の内面との絶えざる葛藤とは、心理学的な意味での意識の世界と無意識の世界との拮抗である。それはヘッセ文学においてヨーロッパとアジアの対比でイメージされてきたものではあるが、そこで描かれるアジアは往々にしてステレオタイプなものであったり、極端に理想化されたものであった。本論では従来重要視されてこなかったヘッセのアジア旅行の意義を再認識するために、旅の成果である紀行文集を詳細に分析する。20世紀初頭、ドイツでは商業旅行とは別枠で作家による非ヨーロッパ圏への旅が流行した。この時代には紀行文に対する需要が大きく、それに応えて出版社でも競って作家たちに旅行記を書かせていた。ヘッセのアジア旅行もこのような状況を背景に実現したものではあるが、ヘッセは実際に現実のアジア旅行を通して、自分が心に抱いていた憧れがヨーロッパ人の視点で理想化したアジアであったことに気付き、五感を通してアジアのもつエネルギーに感嘆し、その後堕落したアジアに対する失望を感じている。そしてそこから自分が探し求めていたアジアは現実のアジアではない何ものかであることを予感するに至るのである。, 論文(Article)}, pages = {1--25}, title = {ヘッセのアジア : 紀行文集『インドから』(1913)}, volume = {11}, year = {2023} }